転がる男、転がる女
あらすじ
無職になったので、田舎に帰り、
親の会社を手伝うことになった。
この職場には問題が多い。
問題の根本はわかりきっていて、
しなくて良いことが大半を占める。
働く俺は雪上を転がる
泥だらけの雪玉であった。
地元の重力が強すぎる、
いかれぽんちの掌編小説――。
―――――――――――――――――
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文字数:約10,000字(目安5~15分)
各話1,200~2,000字区切り
※読了目安は気にせず、
ごゆるりとお読みください。
※本作は横書き基準です。
1行20文字程度で改行しています。
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雪だるま式人生
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◆ 01 新しい職場
10年間働いていた会社が、
不況のあおりで夜逃げした。
「会社を
と、
俺は毎年年末には、
実家に帰って来ているが、
いつもの帰省が再就職へと変化した。
一度救急車で運ばれたと
母さんが言っていたので、
ぎっくり腰で
そんな家族間の
ショックを感じるほど、医者が言うには
メンタルが不安定という扱いらしい。
さっさと孫の顔を見せろ
と、言われないだけマシかもしれない。
親父は若くして起業し、
地元の商品を扱うネット通販の
業務を行っている。
いつか潰れるだろう、と
覚悟していたが、思いのほか
無理に事業を拡大しなかったので
不況にも強かった。
「カケル、お前はきょうから課長だ。」
なに言ってんだ。と思ったが、
息子を「管理
残業代を支払わない親父の
前の会社では課長でもないのに、
残業代どころか、
支払われなかったのでマシかもしれない。
親の会社とはいえ、社長である親父は
家庭と仕事を完全に切り離していたので、
業務内容は俺にはなにもわからなかった。
早朝のまだ誰もいない会社の駐車場で、
近所の子供が作ったであろう
雪だるまだけが俺を出迎えた。
朝は従業員の誰より早く出社させられ、
掃除から始まり、仕出し弁当の確認と注文、
欠勤の電話受付といった
通常業務になればトラックに乗せられ、
「年上に教えるとかマジっすか。
カケルさんっていくつでしたっけ?」
「マジマジ。32歳。」
「マジかー。姉貴とタメか。っすか。
あ、俺こんな口調なんすけど、
大丈夫っすか?」
「問題ないよ。俺、課長だけど
新入りなんでお手柔らかによろしくね。」
「
課長って給料どのくらいっすか?」
「
たぶん、時給
丸井くんより低いぞ。」
「しょっぱい課長っすね。」
「だよなぁ。
丸井くんが昇給できるように
真面目に働くよ。」
「おなしゃっす!
んじゃ課長でもビシバシ指導すんで。」
「うん…だから、お
顔と名前を覚え、荷降ろし、
各種注文など業務の一連の流れを理解する。
専門知識はほとんど必要ないが、
覚える仕事は山ほどあり、
記憶と効率が求められた。
地元が嫌で離れた俺だが、
地域密着な業務は想像したほど
単に年を取って嫌なことを
忘れているのか、
それより俺は中学・高校と
バスケをやっていたので、
馬鹿なりに体力自慢を
だが、就職して運動から遠ざかると、
こんな通常業務でも息が上がって
軽くショックを受けた。
コーヒーとエナドリ
徹夜作業に
初日からはやくも
「体力ないっすね。カケルさん。」
「はぁ、丸井くんほど若くないからな。」
トラックの荷台で丸井くんに
品物を渡しているだけなのに、
なので休憩させてもらう。優しい先輩に感謝。
60歳未満の男は例外なく
若者扱いされる田舎なので、
甘えられる年下が居るのは助かる。
タイピング以外の仕事は、
もう無理かもしれない。
「そういや、まだ聞いてないんすけど、
カケルさん、
「してない。
予定もないし、相手もいない。
ついでに金もない。」
「ないないだらけっすね。」
「前の会社もそんな給料もらってなかったし、
出会いもないほど
「働かせといて給料出さない
ってクソっすね。」
「
あぁ丸井くん、だれかと話すときに、
結婚の話とか振っちゃダメだからな。」
「なんでっすか?」
「そういうのセクハラになるんだよ。
「研修自体、聞いたことないっすね。
今年帰ってきたウチの
同じこと
「田舎もクソだよな。そういうとこ。
普通に
「マジそうっすね。
姉貴もその
ブチギレてましたもん。」
「すごいな、丸井
俺は30歳を過ぎて未だに結婚してない。
これはたぶん、俺の人間不信のせいだと思う。
都心では
それを言った上司は結婚していたし、
独身を
実感はなかった。
地元に帰ってくると毎年、中学の同級生だった
誰それの結婚だとか子供の報告を聞かされた。
俺にとって一番
田舎の
これもステレオタイプだと言われそうだが、
おかげでデリカシーがまったくない。
専務も経理やパート相手に
セクハラ発言を平気で行い、
悩みの種はほかにもあった。
◆ 02 見えてる地雷
役職はパートの仕事管理という
俺が
挨拶くらいはまあいい。業務と関係ないし。
いまどき人間関係重視とか言い出せば、
体育会系の
同じ会社の従業員であろうと、
ストレスにならない程度の
適度な距離感は大事だ。
年始にいきなり社長の
課長という肩書きなので不満があるらしい。
とは、偉大なる先輩、丸井くんの
課長という役職を与えられた俺には、
しかし面倒なので誤解を解く気もない。
業務全体の仕事の流れを
その仕事はなんとも効率が悪くミスが多い。
「これ、修正
「あぁ? なんで?
パートに言っといたのに…。」
しゃべるので聞き取りづらい。
ほかの従業員は
「いま言っている修正指示に、
パートさんは関係ありません。
僕は管理者の
よろしくお願いします。」
「チッ!」
ぼそぼそした返事の代わりに、
よく聞こえる舌打ちをいただく。
その
パートに
彼には自身の認識の
勤務態度を改めて貰うのが
同じことは何度でも言葉を変え、
相手に理解されるまで
指摘して修正したはずの在庫の数字は、
修正前に戻る
俺の残業の主な
社長は彼の
俺に押し付けたのではなかろうか…。
10年勤務していてあの様子では
馬鹿な俺でも気軽に
採用した人事が悪い。
つまり専務か、社長になるが――、
現在の責任者は俺なので
春が近づき会社が
俺は
それでも通常業務時間は6時間と短いので、
比べるまでもない
悪徳企業に
在庫の確認という
入荷と注文・発送の状況から、
数値のおかしな点はすべて
評価させる仕組みをしれっと導入した。
こうした効率化は得意だが、
説明すると仕事が増やされるので、
誰にも広めないのが労働のコツである。
たとえ
必要以上の
特にパートの中には、同世代で主婦もいる。
業務を管理する
自分で自分の首を
◆ 03 専務の椅子
春の
こんな考えもステレオタイプか?
?
俺は休日だというのに出社して、
社長室にある
お使いをさせられる。
地元の
腰の具合が悪化したらしいが、
病院は
社長には、お大事に。と、
社交的なメッセージを送っておいた。
俺は
自分の仕事の
入社4ヶ月目で社長代理にまで
給料は時給計算するとパートと同等だ。
前より下がった気がするが、
気のせいではない。ここは悪徳企業だ。
誰もいない休日の会社には、
それとも前日の帰りに
誰かが装置を入れ忘れたのか。
最後に会社を出るのはいつも俺だが。
誰もいないはずの社長室の
社長室で田舎の
専務は60手前だというのに、お
俺はスマホを取り出して録画を始め、
あ
「
「待ってくれ!」と、先に専務が
「
パートの女性も
ここで
お互いたぶん既婚者だろう。
まぁ、そうでなくても普通に問題だ。
「ここに入ることを、
「話を聞いてくれ!」
「まだ始めたばっかりなのに…。」
おあずけを食らっても残念がる女性。
「事情があれば
「なにが目的だ! あっ…
カケルくんも
「その発言もセクハラなんで、
記録しときますね。」
専務はお気楽セクハラ発言によって、
飼い主様である女性にムチで
れっきとした
プレイの一環として俺は無視した。
「専務は退職希望ですか?」
「いや、いやだ!
この会社に定年なんてあるんだろうか。
ただ、こんな田舎では
再就職は難しいかもしれない。
「それじゃあ専務。
もう二度と、このような
もちろん、ふたりでしてました。
なんて内容は求めませんから、
安心してください。」
力強くうなずく専務の
プレイの
こうして俺は専務よりも
休日出勤。給料は
以来、わずらわしかった
専務の日頃のセクハラ発言も、
俺の前では完全に
その後のふたりの関係が
どうなったかは興味ない。
パートたちへの参加も
専務と目が合うと
ひどく
そういう
結婚しても、
どんなに信じていようとも、
裏切られるのは
だから俺は他人に期待しないんだろう。
◆ 04 焼畑農業
この会社は問題が多い。
会社がパートを
当然、人手を必要とするためだが、
商品の
手書きで行うのは時間がかかり、
書き
そんな理由で、管理者の
確認作業が
しかし
ミスのない人間なんて存在しない。
手書きにこだわる必要もない。
もう古い会社なので機器の
おざなりにした結果といえる。
そんな
と、決めつけるのは良くないが、
それをパートのせいと決めつけ、
よくある在庫トラブルだが
まずこれが根本的に間違っている。
在庫については俺も確認しているが、
注意力に
原因は別にあると
もちろん、パートが辞めたくなる
ほかにもなにかしらあったのだろう。
人間関係のいざこざ以外なら、
それならば、遅かれ早かれである。
社員の
どちらを
会社は決まって社員を優先する。
しかし残ってくれたパートの
作業の
しなければいけない。
丸井くんに
俺がひとりで商品の
パートの募集から採用までは
時間がかかるので、俺はこれを
いままでやっていた手書きの発送伝票を
専用機器の導入を新たにゴリ押した。
社長の
発送伝票を専用機器で
覚えてしまえば
専門知識や、高額なリース料が必要でもない。
こんな作業はだれでもできる。
パートで伝票を作成していた工程が、
受注担当が伝票を作成するようになったので、
まぁ、
給与を少し上乗せするようにした。
ありがとう、専務。
そんな業務改善をしたところで
俺の給料が上がるわけもなく、
仕事は増えるばかりだった。
専務にあるお願いをしたら、
彼まで渋い顔をした。
「僕もこんな
使いたくありませんが…。」
俺はスマホの画面を専務に見せた。
専務に書いてもらった例の
スマホをひったくって画面に食い入るが、
マムシに
とても
ありがとう、専務。
いくら相手を信用したところで、
他人は自分の思い通りには動かない。
それならば信用の有無に関係なく、
利害関係で動くように仕向けるしかない。
こうやって出しゃばるので、俺の仕事は
雪だるま式に増加と変化を繰り返す。
増やした仕事で関係各所を
さらにあちこち回るようになった。
雑用に変わりはない。
◆ 05 重力の井戸
「ウチの
「ほんと? いいの?」
丸井くんはいい子だ。
丸井
人事に関わらないから知らないけど。
丸井くんの口調はやや
俺が頼んだ仕事はやってくれるし、
普通と言ってしまえばそれまでだが、
普通のことができる人はそうそういない。
なにより俺より体力がある。
給料を上げてやりたいが、
課長という肩書きはあっても
俺も給料は上がってない。なぜ…?
「
「ビール
「
セクハラを受けて、その
酒をぶっかけた人だった。
普通ではなさそうだ。
「事件起こさなければいいよ。」
「
ドラムスティックで
「へぇ、ドラマー?
それでウチでパートとか…、
「メンバーがみんな結婚して
解散って
ヘルプもないんで
そんな丸井くんの姉というのは、
遠目に見ても驚くほど赤い髪をしていた。
丸井
梱包業務を教えるのは
だが丸井
いつも以上にぼそぼそと
いつも通りに失敗を繰り返した。
その度に誰にでもなく
新人の彼女は気にもせず
パートの先輩たちにも評価されていた。
丸井
業務を
マニュアルを作り、業務時間外でも
「そんなのダメだろ!
「それ言うなら、
と、
荷降ろし中の弟の丸井くんに
「どうなんすか? カケルさん。」
きょう一番デカい声の
どうやら
俺がいるのをお忘れのようだ。
「会社の
少人数で
少しでも早く
会社としてはなにも問題ありません。
当然、読んでサイン
許可を出せば
もし、
持ち場を
彼女を
で、
やってくれましたか?」
「チッ!」
素直に
しかしこれもパワハラになるので、
次回の研修で
「
「いやでも、すごいな、姉ちゃん。
マニュアル作る発想と
「
「へぇ。」興味なさそうにするのが一番だ。
「
俺と違って頭はめっちゃいいっす。
有名進学校
「それがドラマーに?」
「再婚するときに姉貴が
警察に
趣味だったドラムを教え込んだんすよ。
普通の高校に
「わははっ。おもしろっ。
丸井くんはやらなかったの?
ギターで
「んなことしませんって。
ギターないし。あんのかな?」
ギターの
「丸井くん、
想像つかん。」
「反抗期の姉を
そんな気起きないっすね。マジで。
カケルさんはあったんすか?
「親にはめちゃくちゃ
「なにしたんす?」
「中学のときに買って
スマホ
キッズスマホ持たされたんだよ。」
本当はスマホを盗まれたのだが、
説明も面倒なので
「ひっでーっすね。
だから親の会社
「あまり関係ないかな。
嫌なことあってもだいたい忘れてるし。
じいちゃんとばあちゃんが
立て続けに
反抗期とかどうでもよくなった感じ。
とはいえ地元にいるのが嫌で、
就職は遠くを選んだわ。」
「んでも戻ってきちゃったんすね。
そういうとこ、
馬鹿なバスケ部員からIT系で地元を離れた
正反対な俺の、一体どこが似ているんだ。
結局地元に帰ってきてしまったのだから、
似たようなものか…。
にしても、地元という重力は、
どこにでもあるのだろうか…。
◆ 06 記録と記憶
「私、やってません!」
「じゃあなんで
「わかりませんよ。
でも在庫確認は、
「いや、昨日確認したときは
ちゃんとあったんだよ!」
商品の
入荷して注文を受け付けたが、
発送の段階で欠品が起きる
もしくは単純にエラー。
これを
そんなときがあれば俺を呼び出してと、
受注担当の先輩社員らに頼んでおいた。
今回は、丸井
あんなに
方向性が間違っているけどな。
職場の割り当てそのものが間違いなのだ。
しかし俺はホッとした。
「殴り合いが始まってなくてよかった。
で、どうしたんですか?」
「この新入りが
「私が取ったって、
「逆ギレするな!」
在庫管理の
問題を無視してきた会社にも責任がある。
「
「なに!」
「あれ。」俺は
天井に貼り付いた白色の機器。
機器の中央には半球状のレンズ部分が見える。
照明器具ではない。
以前、
パートが大量に
「なんだと思います?」
「もしかして、カメラ?」
丸井
「何度もおんなじトラブル起こして、
僕が無視してると思います?
さきほどまでの
俺を嫌っているだけなら普段は
なにも
「で、これが
このスマホからでも見られるわけですよ。
そりゃ
大事なウチの商品ですからね。」
動画を開こうとしたが、
鬼の
「あっ!」
「知るか! こいつがやったんだよ!」
「そうやって
スマホにしか動画がないと思って。
クラウド保存されてるんで、
「チッ!」
なにかを言うのを待ったほどに。
「すみませんでした。お
残っている作業を進めてください。」
「いえ、その、ありがとうございます。
私のせいで、ご迷惑を…。」
「迷惑かけたのは
丸井
そう思っていた。
「あっ、あーっと…、
「はい?」
この会社の社長は
社長夫人も
その息子も
「私、
「たばかり…丸井くんのお
「いや、ウチは高校で母親が再婚して、
丸井くんから同じ話は聞いたが、
「へ? へぇー。げっ…。」
思いがけないかたちで、
俺の過去を知る人物に
前の会社に
頭から血の気が引く。
青い記憶が
追いかけて地元から逃げたくなった。
「なんだ、ここって
重力というやつはこれだから
俺は重力に
◆ 07 転がるふたり
欠品していた商品が
録画を確認するまでもなかったが、
スマホの修理代は誰が払うんだろう…。
残業はいつもに
さらなる人材不足に
退社の際の
自分で
「お疲れ様です。」
いつもの装置の
暗闇の中で、真っ赤な人影が現れて
俺は
そんな
)けなど
という
そうでなくてもあれから
サプライズで
無断早退と
会社が守る理由はない。
「えーっと、丸井くんのお
「
一応会社では丸井名義なので、
俺が彼女をそう呼ぶのはおかしい。
「本当に、ごめん…なさい。」
丸井
突然、
この
俺は彼女の
「あのときは、本当に、
ずっと
そして俺が地元を離れたかった理由のひとつ。
人間不信の原因。
まぁ過ぎたことだし、お互い水に流そう。
と言いたくもなる
しかし
相手は満足しないだろうし、
いまさら怒ったところで
年を取って
むかしほど
向こう見ずな馬鹿でもない。たぶん。
「
スマホを盗まれ、
キッズスマホを持たされた。
俺の
「
「…居たような気がする。
リーダー格みたいな子だっけ?」
「
「へぇ…。」
本当にいまさらな話にそっけない本音が出た。
盗んだ犯人は誰だっていいし、
失くしたものも戻ってこないし、
過ぎた時間は戻らないし、
結果は変わらない。
積もり積もった雪の上では
雪だるまは大きくなるだけだ。
「でも私が、全面的に悪いんだし、
許して欲しいっていうのも違って…。」
じゃあなんで
「
心の中を読まれた気がした。
「これって…自己満足?」
言った
「ははっ。なんだそれ。」
「いや、だって…。」
俺に怒られないどころか笑われて不思議がる。
「で、いまはバンドマンなんだっけ?」
「いや、
そういえばそんな話を聞いたが忘れていた。
「ライブのスケジュールはないんだ。」
「そりゃまあ…、こんな土地で
弟の職場のパートやってるんだし。」
あの
という気持ちもまだシコリのように存在する。
もう20年近くも前のことだ。
「嫌なことならもう忘れた。忘れたい。
俺は他人に期待しないし、信じない。」
「ごめん…なさい。」
彼女は
足を
俺は
おまけに業務時間外。
「丸井くんのお
全く信用してないってわけもない。」
身内ならば、どちらかの失敗で
もう片方の信用を落とすことにもなる。
俺には
他人を動かすことしかできない。
「一緒に会社を手伝ってくれたら、
俺も助かる。」
誰にも期待や信用はしてないが、
そんな俺でも許すくらいはできる。
ミスのない人間なんて存在しない。
しかし丸井
素の表情で首をかしげた。
「えっ? なにそれ、…プロポーズ?」
「違うわ!」
変な重力でも生み出すのだろうか。
(了)
あとがき
本編に登場したスマホを失くした過去話は、
こちらに掲載しています。(外部サイト)
https://shimonomori.hatenablog.com/entry/deceive/
来週(05/06)も別の作品を投稿予定です。
ブログ・Twitterなどでも告知します。
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